2017/11/02

11月FOMC声明(2017年)12月利上げ路線に変化なしか

10月31日~11月1日に開催されたFOMCの声明が発表されました。
政策金利は、市場予想通り1.00~1.25%に据え置きでした。

  • インフレは短期的には引き続き2%をやや下回るが、中期的には目標の2%付近で安定すると予測。
  • 物価の動向を注意深く監視する。
  • ハリケーン関連の混乱にもかかわらず、労働市場が引き締まり続け、経済活動は堅調に伸びている。
  • ハリケーンによる崩壊と復興は、近い将来経済活動に影響を及ぼし続けるだろうが、過去の経験から、中期的には国家経済の過程を大きく変化させる可能性は低いことが示唆されている。
  • 金融政策のスタンスは引き続き緩和的で、それによって労働市場の状況のさらにいくらかの引き締まりと2%のインフレへの持続的な回帰を支える。
  • 10月に開始されたバランスシートの正常化プログラムは進められている。
  • 経済状況はFF金利が緩やかな引き上げを正当化すると予想。
  • 全会一致で決定。
  • 9月のハリケーンは雇用者数を減少させたが、失業率はさらに低下した。
  • ガソリン価格はハリケーンの余波の後に上昇し、9月の全体的なインフレを押し上げた。

11月FOMC声明は、バランスシートの正常化プログラムが進められていることと、ハリケーンの影響で9月のインフレが押し上げられたこと以外、9月FOMC声明とあまり変わらない内容でしたが、「経済活動は緩やかに拡大している」から「経済活動は堅調に伸びている」と景気判断が上方修正され、ハリケーンの影響は一時的で経済や労働市場は堅調であるという見方を崩していないという内容でした。

マーケットでは、11月FOMCに特にサプライズはなく、これまでの政策路線に変更はないという評価で、12月FOMCで利上げされるという予想は高いままのようです。

現在は、11月FOMCよりも次期FRB議長に誰がなるのかの方が注目を集めているようです。イエレンFRB議長は来年2月に任期が切れますが、トランプ大統領がイエレン氏を再任させる可能性は低いようで、マーケットではパウエルFRB理事が有力とみている向きが多いようです。パウエル理事は中道派ですが、現在のFOMCの路線を継続するだろうとみられているようなので、大きな変化はないとマーケットでは考えられているようです。

~追記~
11月2日、トランプ大統領は次期FRB議長にパウエル理事を指名しました。議会の承認を得て来年2月に就任する見込みです。

2017/10/12

9月FOMC議事録(2017年)

9月19日~20日開催分のFOMC議事録が発表されました。

  • ほとんどの参加者は追加利上げはインフレが上昇する確信が持てる今後のデータ次第と指摘。
  • 多くの参加者は低インフレが一時的な要因のみではないと懸念。
  • 少数の参加者は低インフレが続かなくなるまで利上げを先送りすべきと指摘。
  • 複数の参加者はハリケーンは第三四半期のGDPに影響を与えるが年末までには持ち直すと指摘。

9月FOMC議事録では、「多くの参加者は低インフレが一時的な要因のみではないと懸念」とあり、「ほとんどの参加者は追加利上げはインフレが上昇する確信が持てる今後のデータ次第と指摘」と、低インフレへの懸念が色濃く表れていました。9月FOMC声明後のイエレンFRB議長の会見でも、「今年の低調なインフレは謎」「軟調なインフレが続けば金融政策の変更が必要」などと低インフレについての懸念が語られていました。

マーケットでは、インフレへの懸念が強いとみてドルは軟調になったようです。

しかし、9月FOMCでの2017年末までのFF金利見通し(中央値)は 1.375%で、なお年内1回の利上げが見込まれており、9月FOMC議事録でも「少数の参加者は低インフレが続かなくなるまで利上げを先送りすべきと指摘」と、利上げを先送りするべきと考えているのは少数派ということでした。低インフレへの懸念は強く、インフレが上昇する兆候がみたいということですが、それでもなお年内1回は利上げしたいと考える参加者が多いということのようです。

ちなみに、FOMC投票権持ちで利上げを先送りするべきと述べているのは、ハト派のブレイナード理事、エバンス・シカゴ連銀総裁、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁らです。タカ派から中道派に転じたのか、カプラン・ダラス連銀総裁は「追加利上げの検討にあたってインフレ前進の証拠を注視したい」と述べています。逆に、タカ派のハーカー・フィラデルフィア連銀総裁は「12月に3回目の利上げを予想」と述べています。

また、9月雇用統計での非農業部門雇用者数は、市場予想+8.0万人に対して-3.3万人と、大型ハリケーンの影響で悪化しましたが、影響は一時的とみているようです。

9月FOMC議事録の内容は、ほぼ想定内の内容とみる向きがマーケットには多いようで、12月利上げの確率はあまり変化していない模様ですが、9月FOMC声明でも述べましたが、今後のインフレの動向を注視していく必要はありそうです。

2017/09/21

9月FOMC声明(2017年)10月からバランスシート縮小開始決定

9月19日~20日に開催されたFOMCの声明が発表されました。
政策金利は、市場予想通り1.00~1.25%に据え置きでした。

  • インフレは短期的には引き続き2%をやや下回るが、中期的には目標の2%付近で安定すると予測。
  • 物価の動向を注意深く監視する。
  • ハリケーンハービーやイルマ、マリアは多くのコミュニティを壊滅させ、深刻な苦難を負わせた。
  • ハリケーンによる崩壊と復興は、近い将来経済活動に影響を及ぼすが、過去の経験から、中期的には国家経済の過程を大きく変化させる可能性は低いことが示唆されている。
  • ハリケーンの影響でガソリンやその他の商品の価格が上がると、一時的にインフレが押し上げられる可能性がある。
  • 金融政策のスタンスは引き続き緩和的で、それによって労働市場の状況のさらにいくらかの引き締まりと2%のインフレへの持続的な回帰を支える。
  • 全会一致で決定。
  • 10月にバランスシートの正常化プログラムを開始する。
  • 労働市場は引き続き強く、経済活動は今年ここまで緩やかに拡大している。
  • 経済状況はFF金利が緩やかな引き上げを正当化すると予想。


  • 2017年末までのFF金利見通し(中央値): 1.375%(前回1.375%)
  • 2018年末までのFF金利見通し(中央値): 2.125%(前回2.125%)
  • 2019年末までのFF金利見通し(中央値): 2.688%(前回2.938%)
  • 2020年末までのFF金利見通し(中央値): 2.875%

  • 2017年GDP見通し: 2.4%(前回2.2%)
  • 2018年GDP見通し: 2.1%(前回2.1%)
  • 2019年GDP見通し: 2.0%(前回1.9%)


9月FOMC声明では、10月からのバランスシート正常化プログラム開始が発表されました。すでに7月FOMC議事録で「大半の参加者は次回会合でのバランスシート縮小を支持」とあり、また、多くの連銀総裁がバランスシート縮小支持を表明していたこともあり、マーケットではすでに織り込み済みでした。

バランスシート縮小の内容については、イエレンFRB議長の発言で「バランスシートのプログラム、調整する計画はない」とあるので、6月FOMC声明であったとおり、「保有債の償還資金再投資については当初は米国債が月額60億ドル、MBSが月額40億ドル縮小し、3カ月ごとに上限を引き上げて1年後には米国債が月額300億ドル、MBSが月額200億ドル縮小する」ということと思われます。

金利については、見通しが発表されましたが、2017年末までのFF金利見通しは中央値で1.375%と前回と変わらず、年内あと1回の利上げを見込んでいるということになります。7月FOMC議事録では、利上げを見送るべきという参加者がおり、見方が分かれているということでしたが、年内の利上げを見込んでいるのは16人中12人だった模様(年内1回が11人)で、年内の利上げ確率は現状ではかなり高いといえるかもしれません。ただ、後述しますがイエレンFRB議長の会見で「軟調なインフレが続けば金融政策の変更が必要」とあるので、今後のインフレ動向によると流動的になってくるかもしれません。

マーケットでは、低調なインフレやハリケーンの影響などがありながらも年内1回の利上げが見込まれていることを受けてタカ派的ととらえ、ドル高になったようです。


FOMC声明後に行われたイエレンFRB議長の記者会見の内容は次の通りです。

  • 緩和的な政策が雇用市場を一段と支援するだろう。
  • バランスシート縮小、段階的かつ予測可能に進行へ。
  • 雇用者数、9月の数値に影響が出る可能性も。
  • インフレは2%目標をしばらく下回る。
  • インフレを2%に戻すため必要に応じて金融政策を調整する用意。
  • バランスシートのプログラム、調整する計画はない。
  • 今年の低調なインフレは謎。
  • 軟調なインフレが続けば金融政策の変更が必要。
  • 景気回復は力強い軌道にある。
  • 2017年の低インフレは、それが今後も続くことを意味しない。
  • FRB議長の任期を全うするつもり。

「インフレは2%目標をしばらく下回る」「インフレを2%に戻すため必要に応じて金融政策を調整する用意」「今年の低調なインフレは謎」「軟調なインフレが続けば金融政策の変更が必要」などと低インフレについての懸念が語られており、前述のように年内1回の利上げが見込まれてはいますがインフレ動向によっては政策変更の可能性もあるので、今後のインフレ動向を注視していく必要がありそうです。

2017/08/17

7月FOMC議事録(2017年)

7月25日~26日開催分のFOMC議事録が発表されました。

  • ほとんどの参加者はインフレは今後数年で加速すると指摘。
  • 大半の参加者は次回会合でのバランスシート縮小を支持。
  • 多くの参加者は2%のインフレ達成は予想より時間がかかると指摘。
  • 一部の参加者はバランスシート縮小の開始時期を発表する用意があった。
  • 一部の参加者はインフレ率が目標の2%に上昇する兆しが見られるまで追加利上げを見送るべきと主張した。
  • 参加者はインフレの鈍化を懸念しており、物価動向を注視することで一致した。
  • 一部の参加者はインフレリスクは下向きと判断。
  • インフレ期待が十分に抑制されているかをめぐり、見解は分かれる。

7月FOMC声明では、「バランスシートの正常化プログラムを比較的早く開始すると予想」とありましたが、議事録では「大半の参加者は次回会合でのバランスシート縮小を支持」とあり、次回の9月19日~20日のFOMCでバランスシート縮小の決定がなされることが既定路線ということのようです。

9月FOMCでのバランスシート縮小決定については、ダドリー・ニューヨーク連銀総裁(FOMC投票権有)、エバンズ・シカゴ連銀総裁(投票権有)、カプラン・ダラス連銀総裁(投票権有)、ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁(投票権無)、ローゼングレン・ボストン連銀総裁(投票権無)、ブラード・セントルイス連銀総裁(投票権無)らが言及しているので、すでにマーケットでは織り込み済みと思われます。

7月FOMC声明の評価は、インフレ見通しについて懸念が増しているのではとみられてややハト派的内容とマーケットは判断したようでしたが、7月FOMC議事録でも、「多くの参加者は2%のインフレ達成は予想より時間がかかると指摘」「参加者はインフレの鈍化を懸念しており、物価動向を注視することで一致した」「一部の参加者はインフレリスクは下向きと判断」とあり、インフレ見通しについての懸念が増しているととられる記述がありました。

利上げについては、「一部の参加者はインフレ率が目標の2%に上昇する兆しが見られるまで追加利上げを見送るべきと主張した」とあり、ブラード・セントルイス連銀総裁(投票権無)は「最善の政策は金利を現行水準で据え置くこと」と、ハト派のカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁(投票権有)も「なぜ今、景気を冷やす必要があろうか」と利上げに後ろ向きな発言をしています。

一方で、ハト派のダドリー・ニューヨーク連銀総裁(投票権有)は「経済が予想通りに展開すれば年内にもう一度の利上げを支持する」と、中道派のウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁(投票権無)も「今年あと1回、来年は3回の利上げが適切だろう」と、タカ派のメスター・クリーブランド連銀総裁(投票権無)も「利上げを遅らせる必要がある状況ではない」などと述べ、年内後1回の利上げを支持する層も多くいると思われます。このあたりは、「インフレ期待が十分に抑制されているかをめぐり、見解は分かれる」というところに現れていると思われ、そのため利上げの判断が分かれているということと思われます。

マーケットは、インフレ見通しについての懸念が増しており、利上げが先送りされるとの予想が多くなりドルは下落したようです。

2017/07/27

7月FOMC声明(2017年)サプライズなしもややハト派的内容か

7月25日~26日に開催されたFOMCの声明が発表されました。
政策金利は、市場予想通り1.00~1.25%に据え置きでした。

  • インフレは短期的には引き続き2%をやや下回るが、中期的には目標の2%付近で安定すると予測。
  • コアを含めインフレ率は低下し、2%を下回っている。
  • 経済状況はFF金利が緩やかな引き上げを正当化すると予想。
  • 金融政策のスタンスは引き続き緩和的。
  • その結果、労働市場の状況がさらに強化されインフレが2%に戻っている。
  • 労働市場は引き続き強く、経済活動は今年ここまで緩やかに拡大している。
  • 金融政策スタンスの段階的な調整に伴って経済活動は緩やかなペースで拡大し、労働市場の状況は幾分さらに強まると予想。
  • バランスシートの正常化プログラムを比較的早く開始すると予想。
  • 全会一致で決定。

前回の6月FOMC声明では、バランスシートの縮小について具体的な言及があり、開始時期についてはこれまでのFOMCで年内にも開始とされてきましたが、7月FOMC声明では、「比較的早く開始すると予想」となりました。6月FOMC議事録では、バランスシート縮小の開始時期で意見が分かれたとありましたが、早期開始派が多数ということのように思われます。マーケットでは、次回の9月FOMCで開始決定するという見方が多いようです。

7月FOMC声明は、全体的には想定内の内容でサプライズはなかったとマーケットには受け取られたようですが、インフレ見通しについて懸念が増しているのではとみられ、ややハト派的な内容と判断されたようでドルは下落したようです。

2017/07/06

6月FOMC議事録(2017年)

6月13日~14日開催分のFOMC議事録が発表されました。

  • 多くの参加者は段階的な利上げを支持。
  • バランスシート縮小の開始時期で意見が分かれる。
  • 参加者は利上げにもかかわらず金融市場の状況は良好と認識。
  • 軟調な物価は特殊要因が原因と大半の参加者が判断。
  • 幾人かの参加者、インフレが鈍化した可能性を懸念。
  • 数人の参加者は株価が標準的な基準で高いと判断。
  • カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁がインフレ加速を待つため金利据え置き主張して反対票を投票。

6月FOMC声明では、「保有債の償還資金再投資については当初は米国債が月額60億ドル、MBSが月額40億ドル縮小し、3カ月ごとに上限を引き上げて1年後には米国債が月額300億ドル、MBSが月額200億ドル縮小する」と、バランスシート縮小について具体的に言及されていました。

また、時期については、3月FOMC、5月FOMCで「大方の参加者はバランスシート縮小を今年開始することを支持」と表明されており、6月FOMC声明後のイエレンFRB議長の会見でも「今年からバランスシートの縮小に着手すると予想」とされ、「バランスシート縮小は比較的早期の実行があり得る」とさえも言われていました。

しかし、6月FOMC議事録では、「バランスシート縮小の開始時期で意見が分かれる」とあり、早期の実行を望まない参加者もいることが明らかとなりました。これを受けてドルは一時急落したようです。

バランスシートの時期をめぐっては、先ほどのイエレンFRB議長が「比較的早期の実行があり得る」と積極的な発言をし、FOMC投票権持ちのタカ派のハーカー・フィラデルフィア連銀総裁も「9月にバランスシート縮小を開始する可能性」と、同じくタカ派のカプラン・ダラス連銀総裁も「バランスシートは今年縮小を開始するのが適切」と、中道派のパウエル連邦準備理事会理事も「年内のバランスシート縮小開始は適切」と、超ハト派のエバンズ・シカゴ連銀総裁も「バランスシート縮小を今年開始することは自然な動き」と述べています。

一方、ハト派のダドリー・ニューヨーク連銀総裁は4月7日の時点ですが「バランスシートの縮小は年内か来年早期に開始」と年内にこだわらない発言をしています。また、6月FOMCで唯一利上げに反対した超ハト派のカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁も、時期について発言はありませんが、バランスシート縮小を急がないと考えていても不思議はないと思われます。

マーケットは、バランスシート縮小の時期をめぐって意見が分かれているのが明らかになったことでドルが急落しましたが、「軟調な物価は特殊要因が原因と大半の参加者が判断」とインフレについて強気な言及があったことで急速に値を戻したようです。

6月FOMC議事録は、一部参加者にバランスシート縮小の時期を急がないことや、インフレが鈍化した可能性を懸念する意見が出た模様ですが、大半の参加者は「軟調な物価は特殊要因が原因」と強気の見方を崩しておらず、また各関係者の発言を見ると年内のバランスシート縮小開始の可能性も大きく変化しているものではないのではないかと思われます。

2017/06/15

6月FOMC声明(2017年)金利引き上げ、バランスシート縮小の内容を公表

6月13日~14日に開催されたFOMCの声明が発表されました。
政策金利は、市場予想通り1.00~1.25%に引き上げでした。

  • 労働市場は引き続き強く、経済活動は今年これまでのところ徐々に上昇している。
  • 金融政策のスタンスは引き続き緩和的。
  • その結果、労働市場の状況がさらに強化されインフレが2%に戻っている。
  • 経済状況はFF金利が緩やかな引き上げを正当化すると予想。
  • 雇用の伸びは緩やかだが堅調で、失業率はここ数カ月で低下した。
  • 金融政策スタンスの段階的な調整に伴って経済活動は緩やかなペースで拡大し、労働市場の状況は幾分さらに強まると予想。
  • 保有債の償還資金再投資については当初は米国債が月額60億ドル、MBSが月額40億ドル縮小し、3カ月ごとに上限を引き上げて1年後には米国債が月額300億ドル、MBSが月額200億ドル縮小する。
  • カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁はFF金利を据え置くことが望ましいとして反対。
  • インフレの動向を注視する。

  • 2017年末までのFF金利見通し(中央値): 1.375%(前回1.375%)
  • 2018年末までのFF金利見通し(中央値): 2.125%(前回2.125%)
  • 2019年末までのFF金利見通し(中央値): 2.938%(前回3.000%)

  • 2017年GDP見通し: 2.2%(前回2.1%)
  • 2018年GDP見通し: 2.1%(前回2.1%)
  • 2019年GDP見通し: 1.9%(前回1.9%)

すでにマーケットでは織り込まれていましたが、政策金利は1.00~1.25%に引き上げられました。

今回のFOMCの注目点は、最近米経済指標が芳しくないものが続いていいたために2017年末までのFF金利見通し(中央値)が下方修正されるのではないかという点と、バランスシート縮小の内容に言及されるかどうかということでした。

2017年末までのFF金利見通し(中央値)は前回と同じ1.375%で、あと1回の利上げを見込んでいるということで変化はありませんでした。

5月FOMC声明
では、「第1四半期の成長減速は一過性となる可能性が高い」との判断で、「経済活動は減速したにもかかわらず、労働市場は引き続き強まった」と経済活動の減速に言及していましたが、6月FOMCでは、「労働市場は引き続き強く、経済活動は今年これまでのところ徐々に上昇している」「雇用の伸びは緩やかだが堅調で、失業率はここ数カ月で低下した」と強気の見方をしているようです。

バランスシートの縮小については、「保有債の償還資金再投資については当初は米国債が月額60億ドル、MBSが月額40億ドル縮小し、3カ月ごとに上限を引き上げて1年後には米国債が月額300億ドル、MBSが月額200億ドル縮小する」と具体的に公表してきました。

すでに3月FOMC、5月FOMCで「大方の参加者はバランスシート縮小を今年開始することを支持」と表明されていたので、今回早くも内容に踏み込んだことについてはサプライズはないものと思われます。


FOMC声明後に行われたイエレンFRB議長の記者会見の内容は次の通りです。

  • 適切な時期になれば保有資産の正常化に着手する。
  • 今後数年にわたって段階的な利上げが妥当。
  • 今年からバランスシートの縮小に着手すると予想。
  • バランスシート縮小の終了はおそらく数年先になる。
  • 株式市場が昨年大幅に上昇したことは認識している。
  • 金融状況を目標にしていない。
  • バランスシート縮小は比較的早期の実行があり得る。

おおむね想定内の内容と思われますが、「バランスシート縮小は比較的早期の実行があり得る」という文言にマーケットはドル買いで反応したようです。