2018/01/04

12月FOMC議事録(2017年)

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

さて、新年早々ですが、
昨年の12月12日~13日開催分のFOMC議事録が発表されました。

  • 多くの投票権のある参加者とない参加者は12月の利上げを支持。
  • 数人は利上げに反対。
  • ほとんどの参加者は緩やかなペースでの利上げ継続を支持。
  • 複数の参加者は中期的なインフレ見通しは変わっていないと指摘。
  • 数人の参加者は継続的な低インフレがインフレ期待を低下させる可能性を懸念。
  • 多くの参加者は労働市場が引き締まっておりインフレを押し上げる見通しとの見解を示した。
  • 利回り曲線のフラット化は異例ではないとの意見が全般で一致。
  • 多くの参加者は所得税の減税は消費支出を押し上げると予測。
  • 何人かは所得減税は雇用も増大すると予測。
  • 多くの参加者は法人税の減税は設備投資を押し上げると予測。
  • 法人税減税は経済の潜在成長力も数年押し上げると予測。
  • 何人かの参加者は物価レベルとGDPを目標にするように提案。

「ほとんどの参加者は緩やかなペースでの利上げ継続を支持」「複数の参加者は中期的なインフレ見通しは変わっていないと指摘」などとこれまでの見方を変えておらず、今後も緩やかなペースでの利上げが継続されることが示され、マーケットはこれを好感して株価が上昇したようです。

また、減税による消費や雇用、経済への好影響にも言及され、総じてタカ派の内容だったとの評価がマーケットでは多いようです。

12月FOMCでは0.25ポイントの利上げが行われましたが、エバンス・カシュカリ両氏が据え置きを主張して反対しました。しかし、2018年はFOMC投票権持ちの連銀総裁のメンバーも変わり、超タカ派のメスター・クリーブランド連銀総裁や、タカ派と目されるバーキン・リッチモンド連銀総裁、中道派ですがタカ派よりのウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁などタカ派が多く、FRB理事を含めてもタカ派・中道派優勢といえそうで、目立ったハト派は超ハト派のブレイナード理事ぐらいなので、利上げのペースに影響を与えることもありそうです。

イエレンFRB議長は2月に退任し、パウエル理事がFRB議長に就任するので、今年はパウエル次期FRB議長の手腕に注目が集まりそうです。

2017/12/14

12月FOMC声明(2017年)0.25%利上げ、2018年度の利上げ見通しは3回に維持

12月12日~13日に開催されたFOMCの声明が発表されました。
政策金利は、市場予想通り1.25%~1.50%へ引き上げられました。

  • インフレは短期的には引き続き2%をやや下回るが、中期的には目標の2%付近で安定すると予測。
  • 物価の動向を注意深く監視する。
  • 労働市場が引き続き強化され、経済活動が堅実な上昇を続けていることを示している。
  • エバンズ、カシュカリ両氏が据え置きを主張し利上げに反対。
  • 金融政策のスタンスは引き続き緩和的で、それによって強い労働市場環境と2%のインフレへの持続的な回帰を支える。
  • 経済状況はFF金利が緩やかな引き上げを正当化すると予想。

  • 2018年末までのFF金利見通し(中央値): 2.125%(前回2.125%)
  • 2019年末までのFF金利見通し(中央値): 2.688%(前回2.688%)
  • 2020年末までのFF金利見通し(中央値): 3.063%(前回2.875%)

  • 2018年GDP見通し: 2.5%(前回2.1%)
  • 2019年GDP見通し: 2.1%(前回2.0%)
  • 2020年GDP見通し: 2.0%(前回1.8%)

すでにマーケットでは織り込まれていましたが、事前予想通りに1.25%~1.50%へ利上げされました。

ハリケーンの影響を除くと、11月FOMC声明とほぼ同じ内容で、労働市場の強化と経済活動の堅調さが指摘され、おおよそ想定内の内容とマーケットではとらえられているようです。

エバンス・カシュカリ両氏は超ハト派で、エバンス・シカゴ連銀総裁は低インフレの懸念を、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁は賃金上昇の鈍さと労働市場にたるみがある可能性をすでに指摘していたので、あまりサプライズとはとらえられてはいないようです。

FF金利見通し(中央値)については、2018年度は2.125%と前回と同じで、年3回の利上げ見通しを維持しました。
2019年度も2.688%と前回と同じで、年2回の利上げ見通しを維持しました。
2020年度は前回より引き上げて3.063%となりました。

GDP見通しは、トランプ大統領の政策の影響も考慮された模様で2018年度・2019年度・2020年度いずれも前回から引き上げられました。


FOMC声明後に行われたイエレンFRB議長の記者会見の内容は次の通りです。

  • 利上げは緩やかな引き締めが正当化されるとの見方を反映している。
  • 税制改革は今後数年、経済を押し上げる公算が大きい。
  • 経済見通しが正当化すれば保有債の償還資金再投資を再開する用意がある。
  • 労働市場の過熱を容認すれば急激な引き締めが必要となるリスクが高まる。
  • 今年確認された予想外の軟調なインフレは概ね一時的とみられる。
  • ビットコインは極めて投機的な資産。
  • 株式市場は今年上昇してきた。
  • 高いバリュエーションは必ずしも過大評価を意味しない。
  • デジタル通貨の採用を真剣に考えていない。
  • パウエル次期FRB議長はFRBを非常によく理解している。

9月FOMC声明後の記者会見では、低インフレへの懸念が語られていましたが、「今年確認された予想外の軟調なインフレは概ね一時的とみられる」と楽観的な意見を述べていました。

すでに次期FRB議長がパウエル氏に決まっているためか、それほど注目度は高くなかったようです。
イエレン氏は来年2月に退任し、パウエル理事が次期FRB議長になります。次回のFOMC後のFRB議長の記者会見は来年の3月なので、今回がイエレン氏最後の記者会見となりました。

2017/11/23

11月FOMC議事録(2017年)

10月31日~11月1日開催分のFOMC議事録が発表されました。

  • 数人の参加者は弱いインフレを理由に当面の利上げに反対。
  • 少数の参加者はインフレが2%の目標に向けて軌道が明らかになるまで利上げを延期すべきと指摘。
  • 労働市場は引き締まっておりインフレを押し上げる。
  • 多くの参加者は近い将来の利上げは正当化されると判断。
  • 多くの参加者は経済がトレンドを上回り続けると指摘。
  • 経済は完全雇用かそれ以上の状態。

11月FOMC議事録では、「多くの参加者は近い将来の利上げは正当化されると判断」とあり、12月FOMCでの利上げを示唆するものとマーケットでは解釈されているようです。

一方で、「数人の参加者は弱いインフレを理由に当面の利上げに反対」「少数の参加者はインフレが2%の目標に向けて軌道が明らかになるまで利上げを延期すべきと指摘」ともあり、少数ですが利上げに反対する参加者がいることに言及しており、マーケットではそれが11月FOMC議事録としてはハト派的ととらえる向きがあり、ドル円は下落したようです。

低インフレについて、イエレンFRB議長は11月22日に「低インフレが一時的かどうか確信が持てず、より長く続く可能性に留意」と述べており、懸念を表明していましたが、低インフレについての懸念がFOMC内で根強くあるということと思われます。今後もインフレ関連指標を注視していく必要がありそうです。

さて、トランプ大統領が次期FRB議長にパウエル理事を指名し、パウエル理事は議会の承認を得て来年2月にFRB議長となる予定ですが、それにともなってイエレンFRB議長は任期を終えるということになります。イエレンFRB議長は、理事にもとどまらずに退任すると公表しています。個人的には、前FRB議長のバーナンキ氏の後任として初の女性FRB議長に就任した時から見てきました。朴訥とした感じの話し方でしたが、質問に対し非常に丁寧・真摯に対応されていた姿が印象的でした。その間アメリカはほぼ完全雇用の状態に回復し、政策金利は上昇し、バランスシート縮小も開始されました。低インフレという課題は残りましたが、イエレン氏続投でもよかったのではと思いますが、トランプ大統領なので無理だったのでしょう。一つの時期の区切りが来たのかなと思う人事でした。

2017/11/02

11月FOMC声明(2017年)12月利上げ路線に変化なしか

10月31日~11月1日に開催されたFOMCの声明が発表されました。
政策金利は、市場予想通り1.00~1.25%に据え置きでした。

  • インフレは短期的には引き続き2%をやや下回るが、中期的には目標の2%付近で安定すると予測。
  • 物価の動向を注意深く監視する。
  • ハリケーン関連の混乱にもかかわらず、労働市場が引き締まり続け、経済活動は堅調に伸びている。
  • ハリケーンによる崩壊と復興は、近い将来経済活動に影響を及ぼし続けるだろうが、過去の経験から、中期的には国家経済の過程を大きく変化させる可能性は低いことが示唆されている。
  • 金融政策のスタンスは引き続き緩和的で、それによって労働市場の状況のさらにいくらかの引き締まりと2%のインフレへの持続的な回帰を支える。
  • 10月に開始されたバランスシートの正常化プログラムは進められている。
  • 経済状況はFF金利が緩やかな引き上げを正当化すると予想。
  • 全会一致で決定。
  • 9月のハリケーンは雇用者数を減少させたが、失業率はさらに低下した。
  • ガソリン価格はハリケーンの余波の後に上昇し、9月の全体的なインフレを押し上げた。

11月FOMC声明は、バランスシートの正常化プログラムが進められていることと、ハリケーンの影響で9月のインフレが押し上げられたこと以外、9月FOMC声明とあまり変わらない内容でしたが、「経済活動は緩やかに拡大している」から「経済活動は堅調に伸びている」と景気判断が上方修正され、ハリケーンの影響は一時的で経済や労働市場は堅調であるという見方を崩していないという内容でした。

マーケットでは、11月FOMCに特にサプライズはなく、これまでの政策路線に変更はないという評価で、12月FOMCで利上げされるという予想は高いままのようです。

現在は、11月FOMCよりも次期FRB議長に誰がなるのかの方が注目を集めているようです。イエレンFRB議長は来年2月に任期が切れますが、トランプ大統領がイエレン氏を再任させる可能性は低いようで、マーケットではパウエルFRB理事が有力とみている向きが多いようです。パウエル理事は中道派ですが、現在のFOMCの路線を継続するだろうとみられているようなので、大きな変化はないとマーケットでは考えられているようです。

~追記~
11月2日、トランプ大統領は次期FRB議長にパウエル理事を指名しました。議会の承認を得て来年2月に就任する見込みです。

2017/10/12

9月FOMC議事録(2017年)

9月19日~20日開催分のFOMC議事録が発表されました。

  • ほとんどの参加者は追加利上げはインフレが上昇する確信が持てる今後のデータ次第と指摘。
  • 多くの参加者は低インフレが一時的な要因のみではないと懸念。
  • 少数の参加者は低インフレが続かなくなるまで利上げを先送りすべきと指摘。
  • 複数の参加者はハリケーンは第三四半期のGDPに影響を与えるが年末までには持ち直すと指摘。

9月FOMC議事録では、「多くの参加者は低インフレが一時的な要因のみではないと懸念」とあり、「ほとんどの参加者は追加利上げはインフレが上昇する確信が持てる今後のデータ次第と指摘」と、低インフレへの懸念が色濃く表れていました。9月FOMC声明後のイエレンFRB議長の会見でも、「今年の低調なインフレは謎」「軟調なインフレが続けば金融政策の変更が必要」などと低インフレについての懸念が語られていました。

マーケットでは、インフレへの懸念が強いとみてドルは軟調になったようです。

しかし、9月FOMCでの2017年末までのFF金利見通し(中央値)は 1.375%で、なお年内1回の利上げが見込まれており、9月FOMC議事録でも「少数の参加者は低インフレが続かなくなるまで利上げを先送りすべきと指摘」と、利上げを先送りするべきと考えているのは少数派ということでした。低インフレへの懸念は強く、インフレが上昇する兆候がみたいということですが、それでもなお年内1回は利上げしたいと考える参加者が多いということのようです。

ちなみに、FOMC投票権持ちで利上げを先送りするべきと述べているのは、ハト派のブレイナード理事、エバンス・シカゴ連銀総裁、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁らです。タカ派から中道派に転じたのか、カプラン・ダラス連銀総裁は「追加利上げの検討にあたってインフレ前進の証拠を注視したい」と述べています。逆に、タカ派のハーカー・フィラデルフィア連銀総裁は「12月に3回目の利上げを予想」と述べています。

また、9月雇用統計での非農業部門雇用者数は、市場予想+8.0万人に対して-3.3万人と、大型ハリケーンの影響で悪化しましたが、影響は一時的とみているようです。

9月FOMC議事録の内容は、ほぼ想定内の内容とみる向きがマーケットには多いようで、12月利上げの確率はあまり変化していない模様ですが、9月FOMC声明でも述べましたが、今後のインフレの動向を注視していく必要はありそうです。

2017/09/21

9月FOMC声明(2017年)10月からバランスシート縮小開始決定

9月19日~20日に開催されたFOMCの声明が発表されました。
政策金利は、市場予想通り1.00~1.25%に据え置きでした。

  • インフレは短期的には引き続き2%をやや下回るが、中期的には目標の2%付近で安定すると予測。
  • 物価の動向を注意深く監視する。
  • ハリケーンハービーやイルマ、マリアは多くのコミュニティを壊滅させ、深刻な苦難を負わせた。
  • ハリケーンによる崩壊と復興は、近い将来経済活動に影響を及ぼすが、過去の経験から、中期的には国家経済の過程を大きく変化させる可能性は低いことが示唆されている。
  • ハリケーンの影響でガソリンやその他の商品の価格が上がると、一時的にインフレが押し上げられる可能性がある。
  • 金融政策のスタンスは引き続き緩和的で、それによって労働市場の状況のさらにいくらかの引き締まりと2%のインフレへの持続的な回帰を支える。
  • 全会一致で決定。
  • 10月にバランスシートの正常化プログラムを開始する。
  • 労働市場は引き続き強く、経済活動は今年ここまで緩やかに拡大している。
  • 経済状況はFF金利が緩やかな引き上げを正当化すると予想。


  • 2017年末までのFF金利見通し(中央値): 1.375%(前回1.375%)
  • 2018年末までのFF金利見通し(中央値): 2.125%(前回2.125%)
  • 2019年末までのFF金利見通し(中央値): 2.688%(前回2.938%)
  • 2020年末までのFF金利見通し(中央値): 2.875%

  • 2017年GDP見通し: 2.4%(前回2.2%)
  • 2018年GDP見通し: 2.1%(前回2.1%)
  • 2019年GDP見通し: 2.0%(前回1.9%)


9月FOMC声明では、10月からのバランスシート正常化プログラム開始が発表されました。すでに7月FOMC議事録で「大半の参加者は次回会合でのバランスシート縮小を支持」とあり、また、多くの連銀総裁がバランスシート縮小支持を表明していたこともあり、マーケットではすでに織り込み済みでした。

バランスシート縮小の内容については、イエレンFRB議長の発言で「バランスシートのプログラム、調整する計画はない」とあるので、6月FOMC声明であったとおり、「保有債の償還資金再投資については当初は米国債が月額60億ドル、MBSが月額40億ドル縮小し、3カ月ごとに上限を引き上げて1年後には米国債が月額300億ドル、MBSが月額200億ドル縮小する」ということと思われます。

金利については、見通しが発表されましたが、2017年末までのFF金利見通しは中央値で1.375%と前回と変わらず、年内あと1回の利上げを見込んでいるということになります。7月FOMC議事録では、利上げを見送るべきという参加者がおり、見方が分かれているということでしたが、年内の利上げを見込んでいるのは16人中12人だった模様(年内1回が11人)で、年内の利上げ確率は現状ではかなり高いといえるかもしれません。ただ、後述しますがイエレンFRB議長の会見で「軟調なインフレが続けば金融政策の変更が必要」とあるので、今後のインフレ動向によると流動的になってくるかもしれません。

マーケットでは、低調なインフレやハリケーンの影響などがありながらも年内1回の利上げが見込まれていることを受けてタカ派的ととらえ、ドル高になったようです。


FOMC声明後に行われたイエレンFRB議長の記者会見の内容は次の通りです。

  • 緩和的な政策が雇用市場を一段と支援するだろう。
  • バランスシート縮小、段階的かつ予測可能に進行へ。
  • 雇用者数、9月の数値に影響が出る可能性も。
  • インフレは2%目標をしばらく下回る。
  • インフレを2%に戻すため必要に応じて金融政策を調整する用意。
  • バランスシートのプログラム、調整する計画はない。
  • 今年の低調なインフレは謎。
  • 軟調なインフレが続けば金融政策の変更が必要。
  • 景気回復は力強い軌道にある。
  • 2017年の低インフレは、それが今後も続くことを意味しない。
  • FRB議長の任期を全うするつもり。

「インフレは2%目標をしばらく下回る」「インフレを2%に戻すため必要に応じて金融政策を調整する用意」「今年の低調なインフレは謎」「軟調なインフレが続けば金融政策の変更が必要」などと低インフレについての懸念が語られており、前述のように年内1回の利上げが見込まれてはいますがインフレ動向によっては政策変更の可能性もあるので、今後のインフレ動向を注視していく必要がありそうです。

2017/08/17

7月FOMC議事録(2017年)

7月25日~26日開催分のFOMC議事録が発表されました。

  • ほとんどの参加者はインフレは今後数年で加速すると指摘。
  • 大半の参加者は次回会合でのバランスシート縮小を支持。
  • 多くの参加者は2%のインフレ達成は予想より時間がかかると指摘。
  • 一部の参加者はバランスシート縮小の開始時期を発表する用意があった。
  • 一部の参加者はインフレ率が目標の2%に上昇する兆しが見られるまで追加利上げを見送るべきと主張した。
  • 参加者はインフレの鈍化を懸念しており、物価動向を注視することで一致した。
  • 一部の参加者はインフレリスクは下向きと判断。
  • インフレ期待が十分に抑制されているかをめぐり、見解は分かれる。

7月FOMC声明では、「バランスシートの正常化プログラムを比較的早く開始すると予想」とありましたが、議事録では「大半の参加者は次回会合でのバランスシート縮小を支持」とあり、次回の9月19日~20日のFOMCでバランスシート縮小の決定がなされることが既定路線ということのようです。

9月FOMCでのバランスシート縮小決定については、ダドリー・ニューヨーク連銀総裁(FOMC投票権有)、エバンズ・シカゴ連銀総裁(投票権有)、カプラン・ダラス連銀総裁(投票権有)、ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁(投票権無)、ローゼングレン・ボストン連銀総裁(投票権無)、ブラード・セントルイス連銀総裁(投票権無)らが言及しているので、すでにマーケットでは織り込み済みと思われます。

7月FOMC声明の評価は、インフレ見通しについて懸念が増しているのではとみられてややハト派的内容とマーケットは判断したようでしたが、7月FOMC議事録でも、「多くの参加者は2%のインフレ達成は予想より時間がかかると指摘」「参加者はインフレの鈍化を懸念しており、物価動向を注視することで一致した」「一部の参加者はインフレリスクは下向きと判断」とあり、インフレ見通しについての懸念が増しているととられる記述がありました。

利上げについては、「一部の参加者はインフレ率が目標の2%に上昇する兆しが見られるまで追加利上げを見送るべきと主張した」とあり、ブラード・セントルイス連銀総裁(投票権無)は「最善の政策は金利を現行水準で据え置くこと」と、ハト派のカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁(投票権有)も「なぜ今、景気を冷やす必要があろうか」と利上げに後ろ向きな発言をしています。

一方で、ハト派のダドリー・ニューヨーク連銀総裁(投票権有)は「経済が予想通りに展開すれば年内にもう一度の利上げを支持する」と、中道派のウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁(投票権無)も「今年あと1回、来年は3回の利上げが適切だろう」と、タカ派のメスター・クリーブランド連銀総裁(投票権無)も「利上げを遅らせる必要がある状況ではない」などと述べ、年内後1回の利上げを支持する層も多くいると思われます。このあたりは、「インフレ期待が十分に抑制されているかをめぐり、見解は分かれる」というところに現れていると思われ、そのため利上げの判断が分かれているということと思われます。

マーケットは、インフレ見通しについての懸念が増しており、利上げが先送りされるとの予想が多くなりドルは下落したようです。